この記事では田んぼで行なう作業を月を追ってお話しします。
各月の定例活動の間にスタッフを中心に数人でおこなっている田んぼの作業も紹介します。それらの記述と写真はまだ少ないのですが、徐々に増やしていこうと思います。
4月&5月 田んぼの準備
4月末に苗代を作ります。種籾を選別して消毒し、苗代に蒔きます。種籾が鳥の餌食にならないようかぶせ物をします。このようにして、6月の田植えまで苗代で大切に育てます。
種籾(たねもみ)の浸種と発芽の手順
1.種籾の選別
(1) 実の無い(軽い)籾を取り除くため、塩水の中に入れて選別する。
塩水濃度は約10リットルの水に塩を約1.5Kg。卵を浮かせて、卵の表面が水面から十円玉くらいの大きさに見える浮き具合にする。このとき、比重液1.13となる。
(2)うるち米は比重液1.13、もち米は比重液1.08程度で選別する。
(3) 浮いた種籾を取り除いた後、水洗いする。
(4) 60度ほどの温水に10分程度浸し消毒する。
(5) 4~7日、水に浸す。
2.温度管理
・30度前後の温水に2~3日浸す。
・積算温度100℃(水温×日数)でハトむね状態(籾が膨らんで、芽の長さが1ミリ程度)になれば終了。
苗を育てる一方で、田んぼの準備を進めます。田起こし(耕す)、あぜ塗り(田んぼの横壁を泥で塗り固める:これは5月の活動です)、代かき(田んぼに水を張って泥をならす)など、田植えの準備がたっぷりあります。
6月 田植え
定例活動で「田植え」をしますが、参加人数によってはその日のうちに田んぼ全部が終われないこともあります。苗がうまく植わっていないと後日浮いてしまうこともありますので、植えなおす作業もあります。
7月~9月 草取り・水量の調節
7月、8月、9月は定例活動での田んぼの作業はありませんが、スタッフがずっと田んぼの世話をしています。田植えが完了した後、除草や畦草刈りを繰り返す必要があります。
また、水の管理をしなければなりません。田んぼの様子を見ながら、そして、稲の成長に合わせて、田んぼに流れ込む水量を調節します。
8月 かかしを立てる
稲穂が育ってくると収穫前に鳥に食べられてしまうこともありますから、里山クラブでは案山子(かかし)を立てています。
8月の定例活動にてカカシ作りを行ないます。最多で10体ほど立てます。
稲が成長して背丈が高くなると、雨風で倒れる心配があります。
倒れてしまうと起こすのが一苦労です。また、台風や長雨で冠水してしまうと、その後の生育に差し支えます。
8月中旬頃の晴天の午前中にイネの開花と受粉を観察できるチャンスがありますよ! ぜひ足を運んでください!
10月 稲刈り
10月、みんなで努力して育てた稲を定例活動「稲刈り」で収穫します。お天気が悪く、予定通りにいかないこともあります。
刈った稲は稲架に掛けて自然乾燥させます。晴れが続いて稲が十分に乾いたあとに雨予報が出たりすると、稲を屋内に取り込んでおくなど、この時期は気が抜けません。
11月 脱穀
11月の定例活動では、乾燥できた稲を足踏み脱穀機や千歯こきを使って「脱穀」します。稲の穂先から籾(もみ)を外す作業です。千歯こきはどのように使うのかを体験するだけで、実際の役には立ちません。
12月 餅つき
長池里山クラブではうるち米、もち米、古代米の三種類を収穫します。12月はもち米を使って「餅つき」を行います。12月の定例活動です。例外的に日曜日です。
定例活動での田んぼの作業は、5月「畦塗り」、6月「田植え」、10月「稲刈り」、11月「脱穀」ですが、上記のようにいろいろな作業があります。
詳しく知りたい方は、農林水産省、NHK、農家の方、農業機器メーカーなどの、稲作についてのウェブページがありますので、ご覧になってみてください。
長池公園のお近くの方は散歩のついでに田んぼを見に来てください。お時間のある方は火・土曜日の自主活動に参加してみてはいかがでしょうか。
リンク先にて、田んぼの月ごとの景色をごらんいただけます。
ひらやま こじま 2024.5.2
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